march 2002
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昨日からちょっと厳しくしつけることにした。会社の同僚のUさんは猫のしつけで鼻先をでこぴんするという。痛いだろうが... しかし、ほかの人に話を総合しても、やはりやってはいけないことを猫がしでかした場合、結構厳しく叱っているんだよね。
そこで例えばテーブルに上ったとき、強い口調でだめって叱り、テーブルの上からmuffyを払いのけることにした。深夜3時、muffyとの睨み合いが続く。僕はもうベッドに入り、寝支度。一方、muffyはまだ元気いっぱいでいたずらしようと虎視眈々と部屋を狙う。
muffyがテーブルに乗っかると、僕はベン・ジョンソンのようなダッシュでベッドが跳ね起き、テーブルに乗っかっているmuffyを下に払いのける。ベッドの中に戻りふたたび臨戦態勢でmuffyを監視。muffyはひとまずテーブルは諦め、カーテン登りに精を出す。しかし、それも束の間、再度muffyはテーブルの上に飛び乗る。僕は今度はリンフォード・クリスティの如くテーブルに走り寄る。フライングのピストルは鳴らない(1996アトランタ・オリンピックを見ていないとわからない)。
muffyは次第に僕がテーブルに向かってダッシュするとすぐにテーブルから駆け下りるようにはなった。さすがに1時間そんなことやっていれば覚えて来るものだ。しつけは根気よく続けるのが大事。
しかしだ。今日になってまた戻っていた。何気ない顔をして平気でテーブルの上に乗っかる。このお転婆・じゃじゃ馬娘を飼い慣らすにはまだまだ時間が必要だ。まだ来てから1週間しか経っていないし。
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ミミダニの薬が行方不明。最近のmuffyは遊び道具をベッドの下に子供が宝物を隠すように持って行ってしまう。いろいろ探しても薬の入った小さな容器が見つからない。ため息。
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ドライフードと猫缶の混合作戦はうまくいったようだ。混ぜ合わせる比率を1:1にしたらきちんと食べるようになった。しかしまた猫缶を買いに行かなければならない。もう少しでCaratの仔猫用ドライフードが終わるので、kalkanのドライフードがどうか試してみる価値はあるかもしれない。kalkanのパッケージにはもし猫が食べなかったら返品していいよと書いてあったぐらいだから、相当自信があるのだろう。■
洗濯しているあいだ、1時間強キャリングケースに入ってもらう。muffyのかぼそい鳴き声に本当に悪いと思いながら、洗濯とカメの水槽の掃除をしたわけだ。しかし、洗濯機は外にあるのでmuffyを放し飼いにして洗濯することはできなかった。
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ドライフードについては諦めかけてきている。本当に食べない。猫缶は好きなだけ食べるのに。かなりわがままな仔猫っぽい。しかし僕も過保護だからそのわがままさを助長させてしまうのだ。
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お別れ会から帰宅して深夜までずっとmuffyは元気だった。元気すぎる。今日はなんとカーテンに登り始めた。ついに木登りを覚えてしまったわけだ。敷き布団の端から出ていたひもを食いちぎり、食べ始めたのにはびっくりしてしまった。すぐに口から引っ張り出したけれど、ほんと気が抜けない。恐ろしいほどやんちゃだ。ほかの仔猫もこんなもんなのだろうか?■
ドライフードをうまく食べてくれない。相変わらずドライフードをお椀に盛っても匂いを嗅ぐとフンっと足で砂を掻く真似をして行ってしまう。この二日、ドライフードしか出していないので、これしかえさはないってわかってほしいのだが。
そのため、今日はふたたび猫缶を買ってきて、ドライフードに混ぜて食べさせようとした。しかし、やはりmuffyは賢かった。猫缶の部分だけ食べてドライフードには見事に手をつけない。うーん。
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muffyが来て明日で1週間が経つ。寝不足でいろいろ大変だったが、最近はmuffyが遊んでいても無視することができるようになった。muffyが遊びたいときは遊びたい、これを止めることはできないし、まぁ、いずれ疲れて寝てしまうのだから。しかし、結構、疲れを知らなかったりするからmuffyは大変なんだよなぁ。
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耳を掻くことは少なくなってきた。まだ、耳垢が出ているけれど、少しずつ中もきれいになってきているようだ。薬が効いているのかもしれない。■
06.37 muffyを僕の方が起こしてしまった。案の定、muffyはごはんの催促をする。あと15分寝させてほしいというところだったが、やむを得なく起き出し、ごはんを与える。うんちはしなかった。おしっこだけ。昨夜は3時半ぐらいまで真夜中に遊び回って眠ることができなかったので、非常にしんどい。ミミダニの薬を点耳する。うまくいったかどうかちょっと不安だが。
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08.05 仕事に出かける。muffyは遊び疲れて小休憩といったところ。なるべく早く帰って来ることを約束してそっと家を出る。■
06.45 muffy起床。ということは僕も起きる。muffyは勝手にごはんを食べる。そしてトイレ。うんちは出ない。お腹がいっぱいになったのだから一緒に寝ようと誘おうが、やはりそうは問屋が卸し大根。30分ほど一緒に遊ぶ。そして何とか寝かしつける。
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13.35 再度起床。ごはん食べてトイレ。今回もおしっこだけ。僕はシャワーを浴び、出かける支度。そう、お医者さんに行くのだ。
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14.40 お医者さんに行く。生年月日を書くところがあり、そこに1972年12月6日と自分の誕生日を書いてしまう。ずいぶん長生きしている仔猫ねって笑われる。3種混合ワクチンを肩と肩のあいだにぶすっと射してもらう。僕はこの15年近く注射をしていないが、さすがmuffy、暴れずにさっさと終わらせた。
耳の方はやはりミミダニだった。ミミダニがいるからすごく耳が汚れてしまうとのこと。僕がmuffyのおしりを押さえつけ、獣医のお姉さんが綿棒で耳垢を掃除、そしてお薬をつけてくちゅくちゅと耳を揉む。これから毎日、この作業を僕が行うことになる。ひとりでやるのは大変だに、なんてね。ちなみにギョウ虫はいなかった。
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15.07 帰宅。muffyはまずごはんを食べ、やっとうんこをする。掃除したばかりなのに見事に砂を撒き散らしてくれた。耳はやはり気になるようだ。数週間は我慢せざるを得ないようだ。少し疲れたのか、ベッドの上でうとうとしている。
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21.03 5時ぐらいから断続的に眠っていたmuffyが起き出す。いつものようにごはんを食べてうんち。そして僕に甘え始める。膝の上に意地でも乗っかって眠ろうとするのだ。そんな状態で僕はこれを書いている。しかし、彼女は画面が動くのが不思議なのか、デスクの上に上がると、僕のタイピングを邪魔する。そう言えば、彼女の体重は1.1kgだった。体温は39度ぐらい。猫が人間より平熱が少し高いことを今日は知った。■
muffyはとても早起き。7時前に起床し、僕を起こすとごはんを食べ、トイレをした。ついでに1時間ほど遊ぶ。僕は眠かったので、何とかmuffyを寝かしつけると、その隣で眠った。
その2時間後、彼女は再び僕をトイレに起こす。そしてまた2時間ほどお遊び。ごはんをまた食べて眠くなったのか、僕の膝の上で眠ろうとする。僕の膝の上が大好きなようだ。暖かいからかもしれない。僕は正座で動くこともできず、必至に我慢する。でも、本当に小さな子供を持ったようで結構しあわせだったりする。
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猫のえさを買いに行き、途中、久しぶりにモスに寄った。2時間ぐらい留守にしたが、muffyはそのあいだ椅子の上で眠っていたようだ。そしてうんちもきちんとトイレでしていた。トイレの躾は完璧なようだ。しかし、耳のところをまた掻き始めた。明日は必ず病院に行かなければ。
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僕もmuffyも共同生活にかなり慣れたようだ。僕が部屋にいなくても鳴き続けることもなくなった。お風呂にも入ることができた。自分のごはんも作ることができた。ただ、仕事の日が来るのがすごくつらく感じる。あんなに可愛いmuffyを部屋にひとりで残していくのはつらすぎる。■
昨夜は3時ぐらいに何とかmuffyを寝かしつけ、自分も少し眠ろうとうとうとしたところ、4時半ぐらいに彼女の鳴き声で起こされた。むずむずしていたので、急いで砂の上に載せたらやはりトイレだった。
寝不足でたまらないが、豆電球にしているので、蛍光灯の紐の陰がベッドの上で揺れていたりするとその影で遊ぶmuffyを見ていたら可愛くてしようがない。ていうか、自分の影にも反応しているお馬鹿なmuffyを見ているだけで十分という感じ。
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しかし、朝、家を出るときはつらかった。寂しがるのはわかっていた。キッチンにいるだけで鳴き声を上げてしまうmuffyだ、僕がいなかったらどうするんだ。仕事を休むわけにはいかないので、とにかく仕事には向かう。しかし、働いていてもmuffyのことを考えると気が気でない。正直、6時になるまで時間が長かった。
仕事が終わったら急いで帰る。彼女が一体どうなっているのかすごく心配だった。しかし、思っていたような最悪の結果は待っていなかった。muffyは眠っていたらしく、それほど取り乱しているようにも見えなかった。用意していたごはんにまったく手をつけていなかったのが気になったが、部屋が荒らされているということも、うんこをトイレ以外でかましているということもまたなかった。
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1時間ほど遊んで、僕の方があまりに眠たかったので一緒に数時間眠った。muffyは起き上がりまたトイレを済ませたが、トイレは完璧のようだ。しかし、ごはんを殆ど食べていないのにうんこだけはよく出るようだ。目やにが出ているので取ろうとするがうまく取れない。一方、耳を掻く仕草は今日はあまりしなかった。
その後、muffyは活発に動き回った。キャリングケースの中にあった毛のマフラーみたいなものが気になるらしく、それで遊び回ったと思ったら、今度はチューダースで狂ったように遊び始める。遊んでいるだけならいいのだが、僕がPCに向かうと、膝の上で眠ろうとする。どうも僕のからだの上で眠ることを覚えてしまったようだ。近くに毛布を重ねて簡易ベッドを作ってもそこでは寝てくれない。
僕がキーボードを打っているとディスプレイに反応するようになってしまう。特にマウスの動きが気になって気になってしようがないようだ。まったく仕事にならない。しかし、おもしろいことに、カメに興味はあるが、ちょっかいを出すことはない。そしてさらにおもしろいことに、カメはまったくmuffyを怖れない。結構、カメは強者である。
結局、muffyとベッドに寝て、ひとまずmuffyを寝かしつけ、眠り始めたところでそっとベッドを抜け出す作戦に出る。うまくいった。彼女はベッドで眠り、僕は今この日記を書いているのだ。お父さんというより、ぼくは彼女のお母さんと化している。■
muffyは小さかった。仔猫の中の仔猫だった。そして黒猫の中の黒猫だった。僕を決して怖がらなかった。少なくとも人間には慣れていた。やはり抱っことか触られるのはあまり好きではないようだが、甘えん坊だった。僕の姿がちょっとなくなると鳴き始めた。職場の人からもらったおもちゃ、チューダースで無邪気に遊んでいたと思ったら、20分ぐらいですぐ飽き、ごはんをねだる。かわいすぎる。
カメが気になってしようがないようだが、しかし、机の上には上ってこない。上ろうとしたら駄目ってちゃんとしかる。駄目なものは駄目。勿論、彼女は言うことを聞かない。やはりベッドの下とかに隠れようとするので、困る。本とか段ボールで何とか塞ぐ。あんな隅っこに行かれたら引っ張り出すこともできない。
我が家にやって来てトイレをしないのが気になる。別に畳の上にやってしまったわけでもないが、やはりいつするのかどうかがわからないので気が気でない。ちゃんと教えなければいけないし。ごはんも結構食べたので、うんちもそろそろしてもらいたいものだ。明日仕事で半日家を空けるのですごく心配。鳴き声も絶対に洩れている。これはバレバレくさい。
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ごはんを食べたからか彼女は今、布団に隠れて眠っている。耳が痒いのか、よく耳を掻いている。これはSさんが言っていたこと。ミミダニが住み着いている可能性が大だ。やはり3種混合ワクチンを打ってもらうときに掃除してもらわなければならない。
寝ているmuffyを眺めていて、本当に小さいかわいい子供を持った感覚に囚われる。彼女をもらって心の底からよかったと思う。正直のところ、僕は今、感動すら覚えている。素晴らしい仔猫だ。仲立ちしてくれたSさんには感謝の言葉もない。とてもchaiで伝えられるほどのものではない。そろそろ、僕も眠ろうと思う。しかし、僕は一体どこで眠ればいいのかまず考えなければならないが。■
実際に仔猫が来るまでまったりと書いていこうと考えていたら、今日になって数日中に仔猫が現実になることが判明。正真正銘のmuffy's diaryになるのはすぐだ。ちなみにこの仔猫だったらすごく嬉しいんだけれど。■
仔猫の写真が手に入る。お母さん猫、お父さん猫も一緒に写っているが、肝心の仔猫、特に黒い方の仔猫の風体がはっきりしない。しかし、お母さん猫の凛々しい顔つきからくしゃっとした仔猫がいずれ王女様に変貌していくのは明白。すごく満足。■
muffyというのは僕がイギリスに1年間いたころ、滞在していた下宿先で飼われていた猫の名前だ。焦げ茶色のトラ猫で、すごく太っていた。齢<よわい>も10歳を数え、体が重いのもあり、いつものたのたと歩いているか、ベッドの上で眠っていた。非常におとなしいメス猫だった。
僕が下宿に居着いたころにはいつの間にか彼女は僕の部屋にやって来るようになっていた。僕は子供の頃から公務員宿舎で育ち、小鳥を飼ったことがある以外は犬とか猫といったペットと暮らしたことはなかった。イギリスのハロゲイトという小さな異国の町でまさか猫と暮らすことができるとは思いもしなかった。というか、野良猫以外に接したことがない自分にとって、猫というものがどういうものか漠然としたイメージすら抱くことができない自分の前に、muffyは現れた。のっそりのっそりおしりを揺らしながら彼女はやって来たのだ。
最初はどんなふうに付き合ってみればいいのかよくわからなかった。何だか初めてガールフレンドができたときのような感じ。街をふたりで歩いていて、手をどういう風につなげばいいのだろう、デートのあと、改札の前でさよならの言葉をどのように口に出せばいいのか、そんな些細なことに頭を巡らしいた「うぶ」な自分が甦ったように。
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僕がイギリスに渡ったのは10月も中旬の頃だった。イギリス、正確に言えば北イングランド・ヨークシャの秋は東京の秋とそれほど違いはない。緯度は北海道よりも高いところにあるが、学校で習ったように大西洋が運んでくる暖流のおかげでそれほどひどく寒いわけではない。しかし、冬は早くやってきた。
11月の初めに雪が降った。そしてヨークシャの秋は一気に冬への様相を示し始め、気がつく3時をすぎることにはまわりはすでに夕暮れのひとときに包まれる。灰色の雲がどんよりと立ちこめ、太陽はもったいぶって滅多に姿を現さない。そんな初めてのイングランドの冬、僕は毎晩muffyと一緒に寝た。
僕が学校から帰ると、彼女は僕のベッドの上で眠っている。僕が帰ったことに気がつくと、思い出したかのように1階に降りていき、ごはんを下宿のおばさんにねだりにいく。ここの下宿の基本方針は「食うものは拒まず」。人間だろうが猫だろうが、腹を空かせてキッチンに降りていけば食べ物には困らない。おかげで僕はイギリスに渡って2ヶ月もすれば体重を10kg蓄えていた。
muffyは食べ終わると再び僕の部屋に戻る。僕の部屋の扉はmuffyのためにいつも開いている。muffyはそのドアにからだを思いっ切り預け、勢いよく入ってくる。僕は煙草を吸うので窓もいつもほんの少し空いている。その窓の手前には小さなベッドサイドテーブルがあり、そこに大きな体をちょこんと載せて小さな窓の隙間から外を窺い、窓を開けてひさしの上に出られるように僕に促す。
外でまったりするのに飽きると彼女は僕の部屋に戻り、ベッドの上で眠り始める。そして僕が夜外出して帰宅しても、彼女はベッドの上に横たわっている。そして僕が眠ろうとすると必ずと言っていいほどまず外に出たがる。彼女が出入りできるぐらいに窓を開けて彼女が戻ってくるのを僕はベッドの中で震えながら待つ。僕の部屋では彼女が絶対。
僕の部屋のベッドは勿論シングルベッド。それもかなり小さいシングルベッドだった。イギリス人は日本人よりは体格が大きいが、だからといって机とか椅子とかが大きく作られているわけではないのが面白い。特に、電車のシートなんてまだ日本の方が余裕を持って作られているかもしれない。せまい地下鉄の4人掛けのシートに大の大人が小さくなって座っている姿を見るのは悪くはない。
ちなみに日本の電車のレールの幅が欧米の標準である1435mmではなく狭軌の1067mmになっているのは、文明開化の時に鉄道建設の指揮をしたお雇い外国人が日本人のからだはちっこいからって勝手に決めたからと言われている。おかげで新幹線をわざわざ引かないとスピードアップができない。
話がずれてしまった。とにかくその狭いシングルベッドに僕はもぐり込むが、その狭いところにmuffyがどかっとからだを横たえ眠る。muffyは布団の中に入るのが大嫌いなので(被せるとすぐ出てきてしまう)、僕としてはカバーが一端で抑えられて甚だ寝にくい。だからいつも布団がからだにかかっておらず、すごく寒い思いをした。僕の部屋ではmuffyが絶対。
彼女はよく僕の枕を奪い取った。彼女は枕の上で眠るのが大好きなのだ。僕が枕を使っているのに同等と僕の顔の前にからだを割り込ませ、おしりを向けて眠ろうとする。それにはたまらず僕が頭をずらすとここぞとばかり枕を奪い取るのだ。翌朝、muffyが僕の枕の上で眠り、部屋の主<あるじ>である僕がその手前で丸くなって眠っている姿を発見する。
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4月のイースターが近づくと、北ヨークシャにも少しずつ春が色づき始める。しかし、それでもまだ肌寒い。しかし冬のあいだ常にどんよりと覆っていた灰色の雲が現れることは減り、陽が差すことが多くなる。6月下旬、ロンドンでウィンブルドンが始まるまでは暖かい日はそれほど多くはないが、muffyは僕の部屋よりも外ですごくすことを好むようになる。
夏になってもイギリスでは湿度が低いので深いな蒸し暑さというものはない。muffyは夜になっても家の中には入ってこないで外の庭で過ごす。しかし、一晩中外で過ごすことは許されないので、12時ぐらいには何とか嫌がるmuffyを捕まえて家に入れるのだが、彼女はなかなか僕の部屋には上がってこない。彼女がやってこないと寂しかった。いつもは本当に寝づらくて困ったのだが、いなければいないで物足りない。彼女がいない生活は考えられなかった。
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そして僕は日本に戻って来た。日本の地を離れてから13ヶ月が経っていた。翌年、ハロゲイトを再訪、2週間滞在した。彼女は僕のことを忘れていなかった。その2週間、僕はまた彼女と寝起きを共にした。その翌年、彼女は散歩中の犬に噛み殺されたという連絡を下宿の主人から手紙で受け取る。悲しかった。今でもそのことを考えると目の奥が熱くなる。そんな関係だった、僕とmuffyは。
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あと数ヶ月で我が家に仔猫がやってくる。名前はmuffy。勿論、僕がハロゲイトで一緒に生活したmuffyではないけれど、たったふたりの家族、新しい家族のメンバーにその名前以外思い浮かばなかった。そもそも考えつこうと思わなかった。まだどの猫が来るのかははっきりしない。しかし、僕はすでに仔猫がやって来るという「事実」に心を躍らせる。本当の意味でmuffy's diaryになるのはまだまだ先だが、何事も準備が必要、今日、日記はスタートした。■
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