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first created: 2003-11-07
last modified: 2003-11-07

2003-11-05

総選挙2003 世論調査

politics and freedom

連休明けの3日、各報道機関から今週末の総選挙に関する最新の世論調査が出た。どれも自民党が単独過半数を窺う勢いと報道、やはり日本は変わる気がないのかとげんなりした。小選挙区では圧倒的に小泉率いる自民党が優勢、民主党は比例代表では自民党を上回る勢いを見せるが、小選挙区、特に地方ではまったく歯が立たず、140から170議席ぐらいに落ち着くのではという話だ。
» 衆院選、与党は安定多数の勢い…読売の22万人調査読売新聞
» 衆院選 自民、単独過半数の勢い 与党で絶対安定多数も 本社・FNN世論調査 (Web Sankei)
» 自民、過半数うかがう 総選挙中盤情勢本社調査 (asahi.com)
» 衆院選 中盤情勢・毎日新聞総合調査 自民党、単独過半数の勢い毎日新聞
» 自民、大幅増の40% 2大政党対決が鮮明に 政党支持率調査共同通信
» ニュースステーション: 11月の世論調査 衆議院選についてテレビ朝日

毎日や朝日、それにテレビ朝日といった民主党寄りのメディアは自民優勢を伝えながらも、まだ態度を決めかねている有権者がいっぱいいることを強調してなんとかしらけムードを払拭しようとしているが、やはり流れは完全に自民・公明の連立与党に傾いているようだ。アナウンス効果を狙った民主党の策略と見る馬鹿もいるようだが、親自民である読売・産経も同じような世論調査を発表しているわけだから、このまま行けば自民党単独過半数、公明党が少し議席を伸ばし、民主党は微増、共産党社民党は数を減らし、保守新党はさようならという雰囲気のようだ。

笑えるのは、どの世論調査でも今回の選挙では政党の政策を中心に選ぶと回答しておきながら、その多くが実際には政策なんかは問題にせず、小泉・安倍人気や自民党による安定した政治から自民党に投票するという現実だ。もしマニフェストとか気にしないのであれば、政権交代を行うという理由だけで十分民主党に投票してもいいものだが、小泉ががなり立てる「改革」という言葉に騙され、結局、政治を変えるつもりがない、これが日本国民というわけだ。3年前と何も変わってないじゃん。

民主党は昨夜、政権を奪取したときの一部閣僚を発表した。財務相として榊原英資を起用するところなどかなり面白いのだが、いまいちインパクトに欠ける布陣だったと思う。僕としては外務大臣か防衛庁長官に西村眞悟を起用したりしたら、かなり現実感が増してよかったと思うのだが(西村もさすがにここまでの要職につけば、あまりに右に突っ走るようなこともないだろう、たぶん)。

また、民主党は年金問題では基礎年金に消費税を導入という、旧自由党が主張した政策を取り入れ、一歩リードするものの、今回の民主党マニフェストの目玉でもある高速道路無料化がそれほど国民の賛成を得られていないことも大きいかもしれない。40兆という道路公団が抱える借金を民営化してその収入でこせこせと返していくことなどできないことは旧国鉄のケース(煙草の増税で国鉄の借金を返すとはなにごとだ!)からも明らか、今回、民主党が主張する借金への税金の投入は別段悪いことでもないのだ。これに道路を造らないと言えばさらによかったのだ。どちらにせよ、インパクトに欠けるとのだ。

選挙で野党が勝つのは難しい。政権交代には基本的に与党の失策が不可欠である。英労働党が1997年に18年ぶりに政権に帰り着いたときも、保守党の長年にわたる支配が露呈した汚職やセックススキャンダル、EUをめぐる党の混乱にその理由はあった。そのような腐りきった保守党の一方で、トニー・ブレアという若い労働党党首が現れ、政権を任せてもいいのではという雰囲気があの地滑り勝利を生んだのだと思う。

投票まであと数日、ここで自民党が選挙の行方を大きく変えるようなへまを犯すとは考えにくい。僕は 新民主党党大会と松原仁 の最後を「信じることからすべてが始まる」と結んだ。しかしこの1ヶ月のあいだ、それを今でも信じるのはすでに「妄想」に近い。僕は今日、幻滅しながら近くの出張所で投票を済ませた。小選挙区は松原仁、比例は民主党に投票した。頭に来たので、最高裁判事の国民審査ではすべての裁判官に×をつけた。まったく子供じみている。

iCan - change the world?

computer and internet

BBCiCanという新しいWebサービスを始めた。HotWired Japanの記事 BBCの「草の根活動支援サイト」がスタート によると、この新しいサービスは地域の人々がコミュニティに身近な問題を提起したり、議論したり、キャンペーンを興したりできる、インタラクティブなものになるらしい。特に政治に無関心な現代の風潮に対して強く働きかけていくものとのこと。うーん、この記事読んだだけではよくわからない。

現在はまだトライアル中、つまりbetaの段階にあり、現在提起されている問題 (issue) を読んでみても、どういうことをしたいのかがいまいちよくわからないのだ。例えば、Guide: How to deal with nuisance neighbours(迷惑な隣人との付き合い方)と題したページでは、いろいろと対処法が書かれている。これについてコメントが何個かついている状態だが、こんな風にひとつの問題に対してユーザが自由にページを作成できる、という例なのだろう。これを公共放送であるBBCが行う理由がまたわからないんだよなぁ。

先のHotWiredの記事では、国から金をもらって運営しているBBCが政府の方針に反するキャンペーンがこのiCan上で展開されたらBBCは果たしてどんな姿勢を取るんだと懐疑的な意見が紹介されていた。英国でも公共放送であるBBCは国民から徴収された受信料で賄われているが、日本のNHKと違い、受信料を払うのは国民の義務であるとともに、もし払わないと罰せられる。ほんと強制である。ちなみに受信料 Licence fee は世帯ごとで1年間カラーテレビが£116(およそ21000円)となっている。日本とほぼ同じぐらいか。

しかし、受信料の行く末は議会・政府に握られているのにもかかわらず、英国のBBCは日本のNHKと違い、かなり反政府的である(さらに左寄りでもある)。トニー・ブレアを苦しめる、David Kelly博士を自殺に追い込んだとされる、イラクの脅威が誇張された文書 dossier をめぐる騒動 - The Hutton Inquiry - の発火点となったのもBBCだった(イラク侵攻については批判的だった)。政府の圧力にはなかなか屈することはなさそうである。

最近では英国の警察に巣くう人種差別を告発した気骨のあるドキュメンタリーを放送、ジャーナリストを警察学校にundercoverとして潜入させ、実際に警察官として働かせ、あほな白人警察官の人種差別的な言動をフィルムに収めるという荒技を披露した。こういったところを比較すると、NHKは本当に頼りなく見えてくる。

BBCはBBC NEWSといったオンラインサービスでも実に充実しており、NHKオンラインの貧弱なWebサイトと比べると雲泥の差がある。これは勿論、英国の受信料で賄われているのだけれど、日本人である僕がこの膨大なリソースの恩恵を受けられるのは素晴らしい(BBCの中国よりの報道は少し鼻につくが...)。

どちらにせよ、iCanからもBBCが公共放送としてだけではなく、新しいメディアを使って社会にコミットしていこうとする姿勢は伝わってくる。それに対して、老人か子供向けのつまらない番組しか作ることができないNHKには受信料を払う気分が失せる。ていうか、払っていないのだけれど。若い世代を無視するNHK、それはまさに若い世代を無視する政治と同じだ。無党派層の大部分を占める、政治に幻滅した若い世代を取り戻すためにNHKは積極的な役割を担うべきではないだろうか。

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