2003-09-11
september 11, 2003: two years later
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今日、2003年9月11日、あれから2年が経った。ニューヨークの貿易センタービルに2機の旅客機が突っ込み、アメリカ経済の象徴であったツインタワーは瓦礫の山と化した。ペンタゴン(国防省ビル)をテロリストがハイジャックした旅客機が襲い、ピッツバーグ近郊では同様にテロリストの手に落ちた旅客機がその目標を捉える前に墜落した。死者は3000人を数えた。
オサマ・ビンラディン Osama bin Ladin 率いるイスラムのテロリスト集団 アルカイダ の犯行とされたこの9/11アメリカ同時テロはアメリカによるアルカイダ殲滅作戦の一環として彼らの居場所を提供していた当時アフガニスタンの大部分を掌握していたイスラム原理主義集団 タリバン の攻撃を生んだ。アメリカはアフガニスタンを爆撃し、タリバンを権力から引きずり落とした。そしてそのおよそ1年半後、アメリカは現大統領ジョージ・ブッシュの親父の仇敵フセインが恐怖政治を敷くイラクを爆撃、地上部隊を投入して今度はフセインを権力の座から引きずり落とした。
9/11はイスラム社会のアメリカへの憎悪を僕たちの前にさらけ出した。しかし、それは逆にアメリカのいう民主主義を世界に広めるためには武力もいとわない理想主義を掲げた保守主義者ネオコンサバティブ、通称ネオコンの発言権を強める結果となり、テロとの戦いという大義名分を与えられたアメリカはアフガニスタンをタリバンから解放しただけでは気が済まず、イラクを英国とともに侵略した。イスラム社会は反イスラエル・反アメリカという大義名分からテロを繰り返してきたしっぺ返しをアフガニスタン、イラクというイスラム国家のアメリカによる侵略を生んだのだ。
9/11のテロを目の当たりにしたアメリカ社会は愛国心という言葉に盲目となり、自分の国にとって危険となりうる国家を先制攻撃とするという、国際法上許し難い愚挙に諸手をあげて賛成した。彼らはブッシュを支持し、彼を信じた。そして今、アメリカはイラクの戦後処理でベトナム以来の泥沼に入り込もうとしている。
9/11以後、世界はよくなったのだろうか?無差別に罪のない多くの人間をコンクリートの瓦礫の下に埋めた貿易センタービルへのテロは血で血を洗うテロリズムの発火点となった。アメリカはそれをテロ撲滅のスタートと考えたかもしれないが、無差別テロに対して武力でしか対抗するすべを見つけることができなかったアメリカは今まで以上にテロの標的となり、テロは消えるどころかさらに勢いを増している。
僕が9/11の惨劇から2年、感じるのはロビン・ウィリアムスをメジャーにした映画「グッドモーニング、ベトナム」 Good Morning, Vietnam (1987) の1シーンだ。監督バリー・レビンソンが描いた切なく哀しいシーン、ルイ・アームストロングの名曲 "What A Wonderful World" が流れるなか、ベトナムのジャングルをナパーム弾が切り裂き、サイゴンの街に爆弾テロが市民の命を奪い、兵士が命を落としていく。このやるせなさが今の国際情勢を厚く覆っているように思えてならない。
テロリズムにsweet revengeなんてない。復讐は復讐を呼び、憎悪をかき立てるだけだ。イスラエルとパレスチナでも、北アイルランドでも、そしてアメリカとイスラム原理主義者でも、結局そこに勝者はいない。彼らが血で血を重ねる戦いに終止符を打たない限り。■
