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first created: 2003-08-29
last modified: 2003-08-29

2003-08-25

クジラとThe Timesと2ちゃんねる

computer and internet

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2ちゃんねる【国際】捕鯨の是非もっと議論を、英タイムズ紙が日本などに呼び掛け というスレッドを目にした。元ネタは時事通信配信記事。たった100文字強の配信記事をめぐっていつものように感情的で紋切り型の投稿が続いていた。

捕鯨問題に関してはクジラは水産資源、ミンククジラについては絶滅危惧種ではないのだから制限付き商業捕鯨の再開を求める日本やアイスランドに対して話し合いにすらまともに応じようとせず、捕鯨を一時的に禁止 moratorium しているアメリカや英国、フランスといったIWC(国際捕鯨委員会)加盟国の暴挙を前にして、僕は日本人としても、ひとりの人間としても怒りを禁じ得ない。彼らはそれぞれの民族が持つ文化を否定し、クジラという哺乳類が高度な知能を持ったかわいい動物だからという感情論でクジラを食べる自由を阻害しているのに過ぎないのだから。そして欧米人が重視するルールの遵守をまったく無視しているからだ。

僕は正直のところ、クジラを食べたいとはまったく思わない。子供のときに食べたという記憶もないし、これだけ牛肉やら豚肉やらが安い値段で流通している時代にクジラを戦後の食糧難時代と同じ感覚で捉えるのには無理がある。

また、欧米人が一般的に抱くクジラに対する感覚が馬や犬、猫に対するものと同じであるのであれば、彼らがクジラを食べることについて嫌悪感を抱くのは当然のことだろう。中国人や韓国人が犬や猫を平気で食べることに僕が激しい嫌悪感を覚えるのと同じことだ。犬猫を食べることが僕には非常に醜悪で不快な習慣に映るのと同様に、欧米人からするとクジラ(イルカもそうだ)の補食が非常に不愉快なことは容易に想像できる。

しかし、だからといってその行為を禁止する権利は僕にないように彼らにもない。醜悪な慣習であれ、それが生け贄として本物の人間を殺すなんていうものでない限り(しかしこれがその国で認められていれば、それを慣習として認めざるを得ない)禁止することはできないのだ。できることはそのような習慣を持つ国や民族を軽蔑することぐらいだろう。

一般の日本人が感情論をクジラの個体数の減少にかこつけて禁止する欧米人に対して怒りを感じるのはもっともなことだ。科学的にも個体数の増加が顕著に認められるミンククジラ(逆に増えすぎと捕鯨国は主張する)について捕鯨再開を求め、実際に始めたアイスランドに対して経済制裁すらちらつかせるかつての捕鯨国、それも食べもせずに油だけに使い、大量に捕獲してクジラの減少をもたらしたアメリカにはほんと頭に来るわけだ。

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2ちゃんねるでその怒りが吹き出すのは当然のことである。しかし、僕が巨大掲示板2ちゃんねるの哀しいまでの愚鈍ぶりを感じたのはその殆どが時事通信の記事元になるThe Timesの社説を読まずに発言していることだった。特にThe Timesを批判(批判ではなく単なる悪口に過ぎないのだが)しているものなどは笑える。なぜなら、The Timesの今回の社説はかなり中立的で、まともなものだったからだ。

25日付の "Choppy waters"* と題された社説でThe Timesは冒頭に Iceland, Japan and anti-whaling extremists are all wrong とサブタイトルをつけ、大体次のように主張している。

  • 捕鯨問題ほど偽善的で真実を伝えず、単純化したスローガンと外向的な欺瞞に満ちたものはない。
  • 捕鯨再開によってEUやアメリカによる輸入禁止措置が取られた場合やGreenpeaceが呼びかけている観光ボイコットにより、アイスランドの主要産業のひとつである漁業や観光業への打撃が大きすぎる。アイスランドは政治の現実を認識すべし。
  • 日本による名目だけの調査捕鯨やIWC加盟国への経済援助をちらつかせたlobbyingを批判的な一方で、クジラは水産資源とする日本の主張に理解を示す。
  • クジラの保護主義者 Conservationists が主張するミンククジラは絶滅寸前という話を一蹴、間違った考えを植え付けようとしていると批難。
  • クジラを変に聖域化したり、悪者にしたりするべきではない、情報の行き通った論議の俎上に載せるべき。

全体的な印象としては、捕鯨・反捕鯨どちらの側にもつかず、日本の当たり前の主張に理解を示す一方で、クジラを取り巻く状況を誇張する反捕鯨・保護運動家たちを強く非難している。クジラを殺してもいいが、クジラを殺す方法(最新の銛 harpoon を使った捕鯨でもクジラが死ぬまで90分ぐらいかかるらしい)が残酷すぎるという話はとても英国らしかったが。

結局、The Timesの言いたいことは双方現実的になれということだろう。捕鯨が時代遅れであることを認めざるを得ない一方、完全な捕鯨禁止措置もまた道理に適わない。妥協点を探れということなのだが、それは部分的・制限された捕鯨再開しかないだろう。

The Timesが親経済界ということを考えれば、Greenpeace(僕は彼らの主張には違和感を感じずにいられないが、日本のなぜか左翼思想に浸った反原発を中心とする環境原理主義者と違い、自分たちの危険を顧みず、実行動を伴う彼らの抗議活動には敬服する)といった過激な環境保護NGO憎しから書かせた社説かもしれないが、日本の捕鯨再開を求める主張は正しいし、制限的なものであれ支持するメディアがあるのは喜ばしいことだ。反捕鯨の立場からの報道や南京事件に対して日本の主張を殆ど取り上げず、嘘で塗り固められた中国やアメリカの親中ロビーの主張を大きく取り上げ続けるBBCに比べると天と地の差がある。

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そのような社説を読みもせず、簡単な時事通信の記事だけでただ反捕鯨に反対する発言や反捕鯨国を罵るだけの発言が続くのを見るのは残念だ。2ちゃんねるが取るに足らない、単なる掲示板に過ぎないことは確かだが、膨大なくだらないスレッドに埋もれたなかにたまに素晴らしい発言があったりする。それが2ちゃんねるの醍醐味だったと思う。

おそらくニュース速報+などのニュース板を埋め尽くすあまりに単純すぎる反中・反韓・反朝鮮ネタに疲れたのかもしれない。あまりに肥大化した掲示板群から良スレを探し出すことが面倒になっただけかもしれない。しかし、最近の2ちゃんねるは意味もなく画一化された印象が強すぎる。個々の意見は鳴りを潜め、みな同じような発言しか見られなくなった。そして今回のようにひとつの情報に対してただ条件反射的な発言しかできなくなっているように思える。

Internetが真に自由で民主主義的なメディアという幻想はすでに崩れ落ちている。匿名であることが強みだったのはもう過去の話となってしまった。最近、匿名を自由ではなく単に放埒に振る舞えることとしか考えられなかったユーザが2ちゃんねるの首を絞めているようにしか思えない。それはP2P技術がファイル共有サービスで顕著な不正コピー問題によって発展を阻害されていることと同じだ。性善説を基調に設計されたInternetはそのユーザーによって破壊される道しか残されていないのかもしれない。それは2ちゃんねるにも言えるのだろう。

-->resources

*1 Times Onlineでは英国とアイルランド以外からのアクセスからは記事の閲覧ができない。つまり、リモートホストが日本にあると有料のsubscription画面に飛ばされてしまう。そのため、その記事を見るためにはUKにサーバがあるproxyを使う必要がある。proxyを探すのであればCyberSyndromeでどうぞ。

junk food review #08: ジャンバラヤチキンバーガー

miscellaneous

今日はモスバーガーの新作 ジャンバラヤチキンバーガー を食べた。本当はモスバーガーがデフレ時代を逆手にとって発売した高級バーガー 匠味(たくみ)を食べたくて食べたくてしようがないのだが、近くのモスで匠味を発売しているところがないため、ひとまず期間限定、7種の香辛料とスパイシーチキンを組み合わせたジャンバラヤチキンバーガーを味わうことにしたのだ。

ニュースリリースにはスパイシーな炊き込みごはんジャンバラヤのイメージで創作したメニューとある。ジャンバラヤとはアメリカ南部ルイジアナの代表的なケイジャン料理らしい。パエリアのようなものか。そのジャンバラヤを食べたことのない僕にとってジャンバラヤチキンバーガーがどんなふうにその料理をハンバーガーに移植したのかは想像もつかない。

感想を言えば、スパイシーと書いてあるわりには辛さは殆ど感じず、味もかなりあっさりしたものだった。不味いわけでは勿論ないが、かと言ってすんごくうまいというわけでもなかった。まぁ、モスバーガーの標準からすれば可もなく不可もない、普通のものだった。匠味への期待が高まる。

ジャンバラヤチキンバーガー

-->note

26日に発表されたモスフードサービスプレスリリースによると、9月5日から匠味の販売店舗を現在の117から278店舗に大きく拡大するとのこと。総店舗数は日本国内では1506店とあるので、そのうちの2割にもまだ満たないということになる。そして残念なことに、僕がよく利用するお店は導入店舗には入っていなかった。雪谷大塚まで食べに行くか。[2003-08-29]

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