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first created: 2003-08-21
last modified: 2003-08-21

2003-08-21

王シュレット、その後

miscellaneous

昨夜、フジテレビはバラエティ 水10!ワンナイ の番組の冒頭15秒間を使い、須田哲夫アナウンサーが、先週放送ぶんで福岡ダイエーホークス監督 王貞治 ならびに球団・関係者に不快の念を与え、ご迷惑をおかけしたと正式に謝罪した。» 「ワンナイR&R」8月13日放送について(フジテレビ)

当初はお詫びのテロップを番組中に流すという話だったが(フジテレビ:王監督侮辱で球団に謝罪 [毎日新聞])、冒頭、アナウンサーを使い、「不適切な表現があった」とかそういった言葉は一切なく、ただ「不快の念を与えた」ことに謝罪した。テロップで流すのではなく、番組中に実際に謝ったことで、王やダイエーホークスに謝罪の意を強く伝えようとしたつもりなのだろう。しかし、これは逆に今回の件とは無関係の外野の人間の怒りに油を注いだらしい。» フジ「水10!」冒頭で15秒謝罪スポニチアネックス

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先週の放送以来、ダイエーがフジテレビに抗議したあと、フジテレビは実際に王やダイエー球団に謝罪したがなかなか火は収まらなかった。ダイエーは逆に態度を硬化させ、フジテレビやフジテレビ系列の地方局にチームの取材・番組への選手の出演の禁止、そしてリーグ制覇の際、日本シリーズの放映権をフジテレビには与えない考えを示唆していた。» 王ダイエー フジテレビに絶縁状(スポニチアネックス)

ワンナイでは ジャパネットたかた をspoofしたコントのなかで王貞治の顔を便器のなかに沈め、ウォシュレットならぬ王シュレットのパロディとして放送した。当初は国民栄誉賞まで取った王貞治を便器にするとは何ごとかといった王個人に対する侮辱とする批難が多勢を占めていたと思う。しかし、球団が日本シリーズの放映権を与えないといった対応(脅しとも言う)をちらつかせると、日本シリーズで戦うことになるであろう阪神タイガースの星野仙一もその「祭り」に参加、話はさらに広がり、野球界への冒涜とか言い始めた。» 星野監督怒る 王監督の侮辱許さん!(スポニチアネックス)

結局、フジテレビはほかの番組、特にスポーツ番組への影響を考え、今回の謝罪に相成ったわけだ。そもそも、僕は 王シュレットの是非 にも書いたように、フジテレビはその番組中にあった大して面白くもない王シュレットのコントについて王貞治にも福岡ダイエーホークスにも謝る必要はないと考えている。

フジテレビやワンナイの擁護に王貞治やダイエー球団の反応が大人げないとか、プロ野球人気が落ち目だから話を大きくしようとしているといった批判は当たらないと思う。王やダイエーが王シュレットについて不快感を表明し、抗議したい気持ちもわかる。また、抗議する自由も彼らにはある。

しかしスポーツ報知記事によると、王は野球界と芸能界を一緒にするから、こういう問題が起きるとコメントしたらしいが、それは間違いだ。スポーツ選手であれ、芸能人であれ(もしくは政治家や犯罪者とか)、エンターテインメントの世界で生きていることは間違いなく、世間一般の注目を浴びるという点では同質のものだ。

そして、そんな彼らを世間に伝えるメディアによって彼らがふたたびバラエティ番組などで弄くられてしまうことは致し方ないことであり、趣味がいい悪いは別としてそれを一般の人間が求めていることからもパロディを使ったコントは許されるべきだ。spoofされる対象が王貞治のように生涯通算868本塁打という偉大な記録を達成し、巨人のV9に貢献、国民栄誉賞を受賞した素晴らしい人間であっても、それに対して怒りを感じる人間がどれだけいたとしても、フジテレビにはくそ番組を作る表現の自由がある。

フジテレビにはそのことをしっかりと主張し、番組編成への脅しに屈することなく対応してほしかった。個々の番組はどうであれ、オーバーオールで質の高い(エンターテインメントも含めて)コンテンツを提供しているという自負があれば、自分たちの主張を貫けるはず(だった)。しかし実際のところ、そのようなプライドはなく、番組の内容自体に問題があったと認めるとほかの番組にも影響するから、ひとまず福岡ダイエーホークスの王貞治監督ならびに球団・関係者の方々に不快の念を与え、ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げますという表現になったのだろう。

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フジテレビは別に王貞治について虚偽の情報を流したわけでもない。ただ悪趣味なコントに王貞治を登場させ、笑いを取ることができなかったにすぎない。その点では番組の関係者は大いに批判・非難されるべきであろう。また、王シュレットが偉大なホームラン打者 王貞治 の記録を貶めるものでもイメージを損なうものでもなんでもない。勿論、それがダイエーホークスという球団の、野球界のイメージを損なわせるものでないことは明らかだ。

王貞治のポジティブなイメージ - 偉大な選手・努力家 - に対し、昔から彼は長嶋の陰に隠れ、家族関係がうまく行っていないといった野球とはまったく関係ないどうでもいい話を伝える(作り上げる?)ことで負のイメージを植え付けようとするメディアの方に問題がある。そこに王が純粋な日本人ではなく、台湾をルーツに持っていることが大きく影響していることは明白だ。今までそのような陰湿な王バッシングを続けてきたことの方が今回のようなあからさまに幼稚で単純な王シュレットのコントとはまったく異質なものであり、非常に悪質だ。

ダイエーホークスについては、親会社ダイエーの経営難(ホークスの売却先を探しています!)の方がずっと球団のイメージを悪くさせているだろうし、プロ野球については長年、巨人という唯一の全国区球団の人気にすがり、例えば、セ・パの交流戦といったファンが期待しているものに背を向け、そのネガティブなイメージが野茂やイチロー、松井といった逸材をMLBに奪われる遠因となっていることに目を向けようとしない。

1985年阪神優勝の立役者のひとり(彼がいなければ絶対に阪神の優勝はなかっただろう)、バースはその年、王貞治の持つ日本プロ野球記録 年間55本塁打 を抜くチャンスが訪れた。くしくもその最後の残り2試合はその王が率いる巨人との対戦となり、巨人はバースを四球責めにした。» ランディ・バース伝説のプレーヤー

また、翌年の1986年には、バースは.389で安打製造器 張本勲 が持っていたシーズン最高打率.383を抜いた(この記録はイチローにも破られることはなく、現在もプロ野球記録である)。このとき、外人助っ人であるバースに日本人ではないが日本野球育ちである張本勲の記録が破られることに不快感を示したものは多かった。» 「和をもって日本となす」(ロバート・ホワイティング著)

さらに2001年、近鉄のタフィ・ローズが王の持つ55本に並んだとき、残り5試合に記録の更新がかかった。そして9月30日の王率いるダイエーとの一戦、ダイエー投手陣は四球責めにした。» ローズ 日本新記録ならず:タフィ・ローズへの思い(毎日新聞)

さらにさらに去年、同様に王の55本に並んだ西武のカブレラはダイエーと対戦、四球2個に死球1個、王のダイエーはふたたび勝負を逃げたという印象を残した(そのあと試合が数試合残っていたし、記録を更新できなかったのはカブレラに問題があったわけだが)。» 3四死球にキレた!カブ報復エルボー(スポニチアネックス)

今回の問題とこのような記録をめぐる不愉快な出来事は関係ないと言うかもしれない。しかし、王やダイエー、そして星野が言っているように、王シュレットが王を、プロ野球界をばかにしていると主張するのであれば、同様にそれ以前に王自体に問題があったし、野球界にも問題があることを示したにすぎない。このふたつの話に関連性がないとすれば、王シュレットが王や野球界を揶揄したもの・侮辱したものではないのに対し、他方は自らを愚弄し、侮辱したものに思える。

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結局のところ、当事者たちは大きくなってしまった話をなんとか矛を収めたいと思っているようだ。昨夜の謝罪を受け、その謝罪に納得しない外野とは対照的に王監督やダイエー球団は一応の理解を示し、番組協力の拒否は解除する方向で進んでいるようだ(フジテレビへの日本シリーズ放映権剥奪は変更しないらしい)。ここは度量の大きいところを見せた方が得策と考えていることもあるのかもしれない。

フジテレビにかかわらず、ほかの局でも堂々とタブー(王貞治をウォシュレットにすることがそれほどタブーとは思えないが)に挑戦してほしい。勿論それは王シュレットのような出来の悪いコントを電波で垂れ流すことではない。中途半端な考えでメタファーもない、諷刺もない、メッセージもない取るに足らないものを作り、抗議されて萎縮してしまってはまさに自分で自分の首を絞めているようなものだ。その点からすれば、番組担当者はクビにされて然るべきだ。

aftermath: japan against nigeria

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→related stories:

昨夜行われた日本対ナイジェリア戦は3-0で日本の圧勝だった。海外組を招集し、ベストのメンバーで臨んだ日本に対し、ナイジェリアは殆どの主力を欠き、試合としてはほぼ日本のワンサイドとなってしまった。

この一戦がジーコ・ジャパンにとってホーム初勝利となったこと、高原の2点という、決定力不足を散々言われてきたフォワードが得点したことで、日本にとっては非常に価値あるように思えるが、実際のところ、ナイジェリアのあまりの不甲斐なさにその勝利の喜びも半減した。

そこで日本サッカー協会 (JFA) はナイジェリアサッカー協会に抗議したらしい。契約では8人の主力を集めるとなっていたのに Jay-Jay Okocha を始めとする主力が殆ど来なかったことに対して抗議したとのこと。» 協会抗議、ナメられっ放し日本/親善試合 (nikkansports.com)

そもそも、監督をまともに選ぶこともできず、いい監督を連れてきてもすぐにクビにしてしまうようなナイジェリアのサッカー協会を信用するのが間違いだったわけだ。アフリカがいい加減なのは去年のワールドカップでのカメルーン騒動(毎日新聞)でもよくわかる。せっかく強豪と戦えると僕も期待して裏切られたわけだが、今度はもう少しやる気のある国と戦ってほしい。

そんななか、ブラジルは10・12日本戦否定 (nikkansports.com) なんて記事があり、JFAが9月にタイで予定していたブラジル戦をブラジルサッカー協会が否定したのだ。しかし、ジーコが持ってくる国は偏りすぎではないか。少しはヨーロッパの中堅と試合をしてほしいものだ。

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