2003-04-22
new spectacles
僕はここ2年半、コンタクトレンズをつけてきた。僕は乱視が少しひどいので、昔はソフトレンズは装着できなかった。だから若い頃はハードレンズを使っていた。しかし、ハードはどうも違和感を感じずにはいられず、今は乱視が入ってもソフトレンズを作ることができると知り、ソフトに切り替えていた。
2年間、ソフトレンズを着用し続けてきた。しかし、やはりなかなか焦点が合わなかったり、長い時間、PCのモニタとにらめっこするには目に負担が大きすぎた。コンタクトレンズの使用期限が切れたこともあり、今回、眼鏡に換えることにしたのだ。
眼鏡は武蔵小山商店街にあるOppoという、安い眼鏡屋で作る。フレームは9000円のもの、リムレスの眼鏡にしようかとも思ったが、縁なしだとアクセントに欠けるので、アッパーのリム部分だけ残し、ボトムは縁なしのタイプを選んだ。
レンズは一段階だけ薄くしたタイプ(+7000円)にした。すごく不安になったのが、視力等の検査のあまりの簡便さ。つまり、どうしてOppoが安いのか、それはコンサルティングに時間をかけないからだと思う。ちょっといい加減なんじゃないという感想を持った。
検査が終わり、受け渡しは5時になると言われたとき、かなりびっくりしてしまった。5時までは30分しかなかったからだ。殆ど眼鏡を消耗品として扱っている。安いのは確かにいいことだが、眼鏡やコンタクトレンズに17年間親しんできた僕からはかなりの違和感を感じずにいられなかった。■
No smoking, please.
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2ちゃんねるのニュース速報+に 【社会】関東の私鉄大手8社、全駅で終日全面禁煙に というスレッドを見つけた。東急、京王など大手私鉄8社が駅での全面禁煙を5月1日から始めるというのだ。東急のニュースリリースには 2003年5月1日から東急線の全駅を終日禁煙とします とあり、東急全線の100駅で全面禁煙が実施されるとなっていた。
僕が利用する東急目黒線は都営三田線・営団南北線と相互乗り入れしており、地下鉄は全駅禁煙のため、これですべての駅で煙草が吸えなくなった。地下鉄の駅では煙草を我慢できている以上、西小山や武蔵小山の駅で禁煙となったからといってそれほどつらいことではないが、煙草を吸う人間の肩身がさらに狭くなることは確かだ。
品川区でも議会が歩きタバコ・ポイ捨て禁止条例を制定、3月31日に公布された。条例は10月1日施行を目指して調整していくらしい。» 罰則付き歩きたばこ・ポイ捨て禁止条例が制定されました (品川区)
僕は一日30本ほどハイライトを吸う。1年で1万本以上吸うわけだ。JT(日本たばこ産業)によると煙草の価格の60%が税金だ。250円の煙草1箱だと153.34円分が税金となるらしい。1本当たり7.67円だ。僕は1年間で8万円ほど税金を払っていることとなる。これは僕の1年間の特別区民税・都税の合計よりも多い。» たばこ税の「事実」を知って下さい。 (JT)
このように数字だけ見るとほんとばかばかしく感じる。しかし僕は煙草をやめない。それはひとつには僕がニコチン中毒だから、そしてもうひとつは煙草は僕にとって嗜好品を越えた、僕という人間のアイデンティティを構成する重要な一部となっているからだ。
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僕が煙草を吸い始めたのは高校2年生のときだ。僕はその頃、レイモンド・チャンドラーが創り出した私立探偵フィリップ・マーロウに傾倒していた。ニヒルでセンチメンタルな私立探偵マーロウの物語に煙草はかかせない。僕は本を読みながら、マーロウが煙をくゆらせる姿を想像した。彼はかっこよすぎる。そんな彼に憧れ、僕は煙草を吸い始めた。
最初に僕が煙草を吸ったのは有楽町・スバル座の前だ。自宅からなるべく離れたかった。吸った銘柄はキャスター・マイルド。初心者にはそれほど強くないので吸いやすいと思う。煙を吸い込んだ瞬間、僕は咽せ、咳き込んだ。
それから13年、僕は煙草を吸い続けている。煙草を吸い始めるきっかけなんてみんな僕のように情けのないものだろう。しかし、それはどんな趣味や嗜好も同じようにきっかけはくだらないものだ。君が野球に憧れ、野球選手を目指したのであれば、それは幼い頃にテレビやスタジアムで目撃した野球選手の活躍に魅せられたからだろう。ところが、それは野球に興味のない人からすればどうでもいい、取るに足らない動機に映るだろう。
煙草は十分、文化と呼べるものだ。それは酒が文化と言えるように、ドラッグが文化と言えるように、SMが文化と言えるように、ポルノが文化と言えるように。そしてそれぞれの文化がいくら薄汚いものであれ、その文化を愛する人間を尊重しなければならない。それが自由な社会というものだ。
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煙草はからだに悪いのか?悪い。これは否定できない。副流煙による受動喫煙の問題?由々しき問題だ。個人が楽しむのは構わない、しかし、煙草が嫌いな人間、煙を吸いたくない人間の前で吸うなという禁煙派の言い分はごもっともである。だから僕は分煙には賛成だし、込み合う駅のホームやオフィスのなかで煙草を禁止するのには反対しない。結構のことである。しかし、だ。
今月、ニューヨークでクラブで煙草を吸っていた人間を注意したバーのスタッフがナイフで刺されて殺された。ニューヨークでは今月から公共のレストランやバーでの喫煙が禁止となっていたのだ。殺されたスタッフの遺族はこの法律を"senseless"と批難、こんなばかげた法律があったから無意味な殺人の犠牲者が生まれたのだと主張する。» Bouncer 'killed over smoking ban' (BBC NEWS)
確かにこの法律はまったくもってばかげたものだ。しかし、この法律の存在が殺しの理由になったと結論づけるのもまたばかげている。なぜなら、こんなことぐらいで殺しを行う者は街を歩いていて肩がぶつかったというだけで殺しかねないあほに違いないからだ。この法律がなければこの殺人は起こらなかったかもしれないが、この殺人が起こらなかったからといってニューヨークの煙草禁止の法律を撤廃するべきと主張するのは大きな間違いだ。
僕がこの法律が間違いであること、撤廃されるべきものと主張するのは、この法律が喫煙するものの自由を奪い去り、抑圧しているからだ。僕を含めて煙草を吸うものには煙草を楽しむことで自分のからだを自分の意志で損なう自由がある。それは酒でも同じだろう。その行為が煙草を吸わない者に不快にし、彼らのからだを蝕むのであれば、分煙すればいいだけである。
煙草の吸えるレストラン・バーがあってもいいではない。それはレストランやバーの経営者が判断することであり、彼らの選択の自由を奪い、喫煙者の選択の自由も奪うこういった法律はまったくもってばかげている。働く者が受動喫煙してしまう?受動喫煙してしまうような職場で働かなければいいだけのことだ。誰もが自分の望む職場で働けるとは限らない。自由社会の基本は選択の自由が存在するかどうかなのだ。
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みんなが煙草をやめたら、きっと今よりきれいで美しい社会になっているに違いない。それは殺人がこの世からなくなったらこの社会がずっとよりよい社会になっているという幻想と同じことだ。僕らはそんな「きれいな社会」だけではやっていけないはずだ。ユートピアなんて存在しない。僕らはいつの時代でも社会の片隅に汚い部分を残して生きていく。社会をよりより方向に持っていくことを否定はしない。しかし、僕にはそんな社会の方がユートピアなんかよりずっと魅力的だ。
僕はこれからも煙草を吸い続ける。東急が駅のホームでの完全禁煙を実施したとしても、今夏からタバコ税が値上げされたとしても、僕は煙草を吸い続ける。そしてこの小汚い煙草の文化を守り続ける。■