2002-11-06
gosford park: altman in england
今日は映画サービスデーで都内の映画館では1000円均一だった。(ちなみに埼玉県では毎月1日が1000円均一で観られることを昨日知った。こんなことでも都内と地方では違うものなのだ。)そして僕が選んだ映画はロバート・アルトマン最新作「ゴスフォードパーク」 Gosford Park だ。
この137分という少し長尺の映画を恵比寿のガーデンプレイスで観た。しかし、恵比寿ガーデンシネマは完全入替制、そのため、4時の回で観ようと開映30分前についたときにはすでに売り切れ、結局そのつぎの7時の回まで3時間待つ羽目となった。マクドナルドでThe Economistを読み、友人に対して手紙を書いていたら、いつの間にか時間はやって来た。そして長く待たされたこの映画に僕は時間を忘れてのめり込むこととなる。
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ロバート・アルトマンが英国で撮ったこの映画の舞台は第2次世界大戦前のロンドン郊外のcountrysideにある貴族の屋敷。屋敷の主人ウィリアム卿のキジ猟パーティに招待された貴族とアメリカ・ハリウッドからはるばるやって来たプロデューサー・ワイズマンと歌える人気俳優アイボア・ノヴェロ、そして屋敷の執事や召使い、女中といった多くの登場人物の生臭い人間模様を淡々と描き込み、そしてウィリアムが屋敷の図書室で何者かに殺されたとき、映画はmurder mysteryとして生まれ変わる。
英国貴族とその執事や召使いの話といえば、Kazuo Ishiguroのブッカー賞受賞作「日の名残り」 The Remains of the Day が有名だ。これはアントニー・<ハンニバル・レクター>・ホプキンスとエマ・トンプソンの共演でジェームズ・アイヴォリーにより映画化されてもいるが、アントニー・ホプキンスが執事を原作に忠実に物静かに演じていたのがすごく印象的だった。
だから女中や召使いが出てくるシーンではどうもこの「日の名残り」ことが脳裏に走り、見比べてしまう。あまりに登場人物が多すぎ、なかなか話についていけずに困っていたが、しかし、ウィリアム卿が殺されると、映画の前半でアルトマンが熱心にひたすら人間関係を描き込んでいたわけがわかった。
僕はこの映画のあらすじを殆ど知らずに観始めたので、アルトマンがこつこつと英国貴族の欺瞞や腐ったsnobbyな性格をいつもの風刺的な視点で皮肉りまくる映画かと思っていた。実際、やはりというか、当たり前というか、英国貴族の登場人物はみな性格が悪く、鼻につくいやらしい人間に描かれており、ハリウッドから来たアメリカ人がまともな人間に思えるぐらいだった。
かと言って、召使いや女中たちがworking classの素晴らしい人間として描かれているわけでもなかった。逆に庶民の持ついやらしさを前面に押し出し、上流階級が偽善と欺瞞のなかで欲望を影でさらけ出すのと対照的に、彼らにはストレートな人間の欲望のいやらしさが存分に出ていたと思う。この点は単に上流階級は悪、下層階級は善とした「タイタニック」 Titanic のジェームズ・キャメロンとは違う。
ゴズフォードパークで殺人が起こり、その犯人探しが始まったとき、このような上流階級と労働者階級の違いに頭を巡らしていた僕はトンカチで頭を殴られたような衝撃を受ける。そして物語が真犯人に辿り着き、ラストを迎えたとき、僕は呆然とするほかなかった。ここで緻密に張り巡らされたジュリアン・フェローズの脚本の素晴らしさに手を叩くほかなかったのだ。
一癖も二癖もありそうな登場人物、複雑に入り込んだ人間関係、そのすべてが殺人事件と繋がり、そして僕が想像し得なかった人物が真犯人としてあぶり出される。この映画は貴族ものにありがちな冗長でいたずらに退屈な映画だけではまったくない、アルトマンが生み出した一級のエンターテイメントだったのだ。
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この映画の魅力が見事に練り上げられた脚本とアルトマンの演出にあるのは勿論だが、それとともにこの映画を際立たせているのは英国人を中心にしたキャスティングにある。性格の曲がった老嬢を演じたマギー・スミスや女中頭を見事に抑制された演技で演じたヘレン・ハントが素晴らしいのは当然ながら、主人公の若いメイドをScottish訛り全開でかわいらしく演じたケリー・マクドナルドは「トレインスポッティング」 trainspotting で演じた女子高生の雰囲気を少し残しながらなかなかいい感じだった。
ほかにも見習い女中であるメアリーの先生役のような役回りを演じたエミリー・ワトソン、最初から最後まで狡賢そうな召使いを演じたリチャード・E・グラントなど渋い役者が渋い演技を堪能させてくれる。その配役もまたハリウッドらしさはまったくなく、英国を舞台にしただけにキャスティングもかなり地味なBritishな香りに満ちたものだった。そしてそれがこの映画の成功をさらに強固にした。
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エンディングクレジットには英国のLottery fundを基に英国映画産業育成を目的に設立されたFilm Councilの名があった。アメリカ映画でも英国で撮影されていればお金を出してしまうのかと少しびっくりしたが、僕はこの映画を観るのにたった1000円を出しただけだ。その元が取れたのは勿論のこと、十分にお釣りが出る映画だった。これぐらい作品であれば、2000円払っても惜しくはないと思う。■
鳩山由起夫と電波少年
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日本テレビのバラエティ「電波少年に毛が生えた」が民主党党首 鳩山由起夫が明治学院大学で講演した際、番組のママさんコーラス隊に替え歌を歌われて馬鹿にされたとして日本テレビに抗議、放映中止を求め、大学側も同様に「約束を踏みにじられた」として日本テレビを批難しているらしい。» 鳩山民主党代表、電波少年に激怒 (日刊スポーツ)
僕は猿岩石がやっていた大陸横断ヒッチハイクやドロンズのヒッチハイク旅があまりに嘘臭くてそれ以来電波少年は見ていないが、こういったシニカルな笑いに対してあまりに愚直な反応を示す鳩山由起夫という人間が本当につまらない人間に思えた。大体、代表選挙以来、今の民主党は馬鹿にされて当然ではないか。前回の選挙で民主党に投票した僕のような有権者に対してきちんと責任ある行動を取ってから文句を言えっていうものだ。
また、明治学院大学も情けない。これぐらいのことで茶番だって鳩山由起夫と一緒に抗議する学生の生真面目さが逆にキモい。明学の付属高校には高校受験時に合格していたが、こんなところに進まなくて本当によかったと思う。■
代議士暗殺 (2)
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のちに右翼団体代表・伊藤白水という男が石井紘基を刺殺した容疑で逮捕された。この男、少し頭がおかしいのか、アパートを退去させられたときに引っ越し先を世話してくれなかったからという私怨(というか思い込み)で石井を殺害したらしい。こんな気狂いと10年来の交際があったという石井紘基にもまた疑問符がつかざるを得ないが、少なくともやはり政治的な事件ではなかったようだ。■
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